数日前に、和食のダシの取り方を教えてくださいと言うお問い合わせが有りましたので、今回はダシのとり方です。
和食の基本と言えば、鰹節と昆布を使った出汁になります。
最近では顆粒や液体のダシの元が販売されているので、自分でちゃんと出汁をとれる人が少なくなっていますが、日本人としてダシのとり方ぐらい知っていても良いのではないでしょうか。
と言うわけで、フォーシーズンズ椿山荘の和食指導料理長であった叔父に教えていただいたダシのとり方を皆さんにも伝授いたします。
適当な大きさに切った昆布の表面に付いた汚れを、純米酒で湿らせたサラシ等で軽くふき取ります。
昆布の量は、水1.8リットルに対し約40グラムです。
出汁に使用するのは利尻昆布を用います。
水を張った鍋に火をいれ、水の温度が25度程になったら昆布を入れます。
夏場の水の温度が凡そ25度ぐらいです。
昆布を入れ、温度が70~80度になったら昆布を引き上げ、昆布出汁は完成です。
(鍋底に小さい湯玉が出来る頃合です)
魚料理に使う場合は、鰹節は入れず、この昆布出汁を使用します。
吸い物などの椀物を作る場合は昆布出汁に鰹節を加えて出汁をとります。
出来れば使う直前に本枯節を削り器で削って使うのがベストですが、一般家庭では削ってある鰹節のパックでも良いでしょう。
ちなみに通常花かつおとして削ってあるパックの物は、荒節と言うもので、カビ付けを行う前の、云わば鰹節の作りかけを削ったもので、本節といわれる物はカビ付けを行ったもの。本枯節は3回以上カビ付けを行った最上級品となる。
吸い物には上品な味わいの雄節、煮物や味噌汁などには油分が多く濃い出汁が出る雌節が合うと思います。
雑談ついでに、雄節とは背中側の身、雌節は腹側の身で作った鰹節です。
結納などで雄節・雌節1対を使うのは、離れたものを一つにするという意味もある見たいです。
話は反れましたが、昆布出汁をとったら沸騰する寸前に、出来るだけ薄く削った鰹節を入れ、箸で全体を軽くかき混ぜて沈めたら火を止めます。
削り節の量は、1.8リットルのお湯に対して60グラム程度です。
アクが浮きますのでアクは素早く掬い出し、二重にしたサラシかネル地で濾します。(削り節を入れてから15秒ほどで仕上げる)
濾すときに、絶対さらしに残ったカスを絞ってはいけません。
雑味が出る上出汁が濁ってしまいます。
カツオ出汁をとると出来上がりの量は1割ほど減りますので、その分を計算して作るようにしてください。
また、一番出汁をとった後の昆布と削り節にはまだまだ旨味が残っていますので、二番出汁に使用します。
一番出汁をとったときの半分の量の水を使い、30分ほど煮出せば二番出汁の完成です。
とまぁ、コツさえつかめば出しは簡単にとれます。
最近巷で、簡単料理や時短料理等が流行っていてTVなどでも良く見かけますが、日本人として最低限、昆布出汁、かつお出汁のとり方位知っていても良いのではないでしょうか。
ちなみに、とった出汁は直ぐに使い切ってください。かつお出汁は風味が命ですので食卓に出す直前に作るようにします。作り置きや保存は論外です。
まぁ、ワシは昔気質な所があるので、削り節も鰹節職人さんが丹精込めて作った本物の本枯節を削り器で自分で削ったり、時間を掛けて料理する事がすきなのですが、いくら時間が無くても最低限、出汁をとったりする時間だけは惜しんだりしたくないのですわ。
拘りとかそんな事ではなくて、人としての心のゆとりと言うものを大事にしたいんですわ。
人間にとってものを食べると言う行為は、ただ単に生きる為のみの欲求ではないですからね。
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