料理と包丁

ここ最近、何だか刃物の話題をする事が多く、メールでも「どんな包丁を使ってますか」とか、「手入れは?」などのお問い合わせも頂く事が多くなりました。
ワシ自身、日本刀コレクターの祖父の影響なのか刃物が好きで、アウトドア用から料理包丁など合わせると、いつの間にか28本ほど所持していましたw
とは言え高級な物は数本しか所持していませんし、そこから普段使っているものとなると限られたものしか使っていません。

画像は料理包丁を数本並べて見た物ですが、料理するときに一番使用しているのはの包丁で、同居人が一人暮らしをするときに料理屋さんの知人に頂いたと言うもので、「切れ味が良すぎて怖くて使えなかった」と仕舞い込み錆だらけになっていたのをワシが見つけ、錆を落として研ぎ直た物です。
形から言ったら「牛刀」になるのかな?「登録商標 宏明」って名が打ってありましたが、詳しくは知りませんf^^;
しかしちゃんと研いだら切れ味が良くかなり使いやすい包丁で、通常の料理でしたらこの1本で全て賄えますので、一年で一番活躍している包丁です。

ちなみに画像のまな板は京都白木屋さんねこ柳のまな板で、鋼の包丁を使うなら刃の当たりが柔らかく刃を傷めません。
(現在白木屋さんの「ねこ柳のまな板」は、看板を下ろす事を考えているらしく希少になってしまいました。)

出刃包丁と柳刃包丁を使うのは魚を捌く事が主で、中でも冒頭画像のの本焼き青二鋼の柳刃と、この画像の高鳳の白鋼本焼きは思い入れのある魚が釣れた時しか使わなかったりしますf^^;
普段使うのはの青二鋼の柳刃だったりします。
馬刺しを造る時や肉の筋を切り分ける時なもこいつを使ったりします。

包丁も100均で売っているものから鍛造の水本焼き包丁みたいな数十万円するものまで多々ありますが、一般家庭では普通に切れる包丁が1本あれば良いかと思います。
三得包丁や牛刀でも刺身を作ろうと思えば出来ますし、野菜からその他の食材全てが切れるわけですから。

ただ以前に柳刃包丁についての記事にも書きましたが、「より美味しく」とかを求めると、それなりの刃物が必要になると言うだけです。
しかもちゃんと刃物を研ぐ事が出来ると言う条件付き。
いくら良い刃物を所持していても、研ぐ事が出来ない(手入れが出来ない)のであれば宝の持ち腐れですから。

お金も時間も有るのでしたら、本職の料理人ではなくとも高級刃物を所持することは良いと思います。
切れ味の良い刃物は使っていて気持ちよいですし、料理をしていても楽しいですから。
ただ前記した通り手入れがまともに出来ないのであれば購入はお勧めしません。
作った職人さんにも失礼ですし、何より勿体無い!

中でも本焼きの柳刃なんて、手入れ所か保存がしっかりできていなければ使ってもいないのにヒビが入ったり最悪折れる事だってある繊細な道具ですから。
鍛冶職人さんだって、飾るために作っているわけじゃないですからねぇ。

で、何が書きたいかと言いますと、安い道具でもしっかり研ぐことさえ出来れば、家庭で使う分には十二分に良く切れると言う事が言いたかっただけです。
また、高価な包丁を手に入れたいのでしたら、安い包丁で研ぎ方をしっかり身につけると言うことも必要かと思います。
何万円もする包丁で研ぎの練習なんてできませんからねw
この画像は青二鋼の柳刃を#12000の砥石で研いだ物です。

遠目には鏡面に近く見えるのですが、ここまでアップにするとかなり砥石傷が見えますねぇ
まぁ、#3000からいきなり#12000に上げたので当然と言えば当然なのですがf^^;
ちなみに使用している砥石は
シャプトン セラミック砥石 刃の黒幕 クリーム #12000です。
通常の仕上げに使うならシャプトン セラミック砥石 刃の黒幕 エンジ 仕上砥石 #5000で十分だと思います。

刃こぼれさえしなければ、使用後毎回仕上げ砥石で仕上げてやれば問題ありません。
画像はチョット刃こぼれしている状態です。
この位になってしまったら
シャプトン刃の黒幕 ブルー #1500辺りでしっかり刃を作ってから徐々に番手を上げて仕上げ砥石で仕上げるようにしましょう。
そうそう、包丁を研ぐのは少なくとも調理に使用する3時間以上前に研いだほうが良いです。
と言いますのも、鋼の刃物は研いでから直ぐ使うと金属臭が食材に移ってしまうからです。
ですのでワシの場合は、料理が終わった後に研ぐようにしています。
そうする事で次回料理するときに直ぐに使えるので無駄な時間がなくなるでしょ?
とは言え、青二鋼の場合は長切れする(切れ味が長持ちする)ので毎回研いだりしてませんf^^;

一日に何十人前、何百人前と言う料理を作る本職の方の場合は、一日の終わりに毎日、いや、一日数回研ぐ必要もあるでしょうけど、一般家庭で使う分にはそこまでの頻度は無いと思います。
逆にあったら怖いw
そういえば以前、安い小出刃で釣ってきたアジを100匹捌いた時は流石に途中で2回ほど研ぎましたがf^^;
そんな事でもない限り、一般家庭では1回しっかりと研いで置けば数日は研が無くても平気だと思います。

少し前に知人に柳刃包丁を購入するに当たり相談された事がありましたが、その時今持っている包丁を「半年近く研いで無い」と聞いてびっくりしましたが、普通の方ってどうなんでしょうかねぇ?
やはりあまり研がないで使っているのでしょうか・・・

そう言う方が切れ味を求めて高い刃物を購入するのは本末転倒だと思ってしまうのですが如何なものなのでしょう?
と言いますのも、高価な包丁ほど研ぎ辛いのです。
高価な切れる包丁と言うのは、使用している鋼材が硬いから切れ味が良いと言うことですので、それはすなわち研ぎ辛いと言う事でも有るのです。
刃物を研ぐ事が出来ない方が高価な包丁を購入しても、切れるのは最初だけと言うことにもなり兼ねません。
しかも和包丁に多いのですが、本刃付けをしていない包丁の場合最初から切れ味も悪いですから、本刃付けは自分で行うかお金を出して購入先に頼むほかなりません。
その辺りを良くお考えになって購入することをお勧めします。

中華包丁を使えば中華料理が美味く作れるなんて事は絶対にありえませんので。
前記した通り、牛刀や三得包丁でも良く切れる様に手入れしてあればどんな料理でも作れます。
手入れがしっかり出来るようになってから専用包丁を購入すれば良いのかと思います。

ま、刃物好きと言うだけならば、コレクションとして持っているって言うのも有りなのかな。
ワシもその一人ではあるのだけれども・・・f^^;

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